それを戦争と称する人もいれば、捕獲作戦や追放作戦と呼ぶ人もいる。ともかく、フランス・パリのアンバリッド広場では、野生のウサギがあまりに増えすぎたため当局が排除に乗り出した。
「もふもふ戦争」は二正面作戦の様相を呈している。戦線の1つは、ウサギそのものが相手だ。地面の下に無数に掘られたトンネル、飽くなき食欲、それにともなう糞害が深刻な問題となっている。
もう一方の戦線で対峙する相手は、人間である。ウサギを駆逐する方法をめぐり、当局と地元の動物保護団体パリ・アニモー・ズーポリス(PAZ)の活動家らが対立しているのだ。
こちらの「ウサギ戦争」の火ぶたは5年前に切って落とされた。PAZが「ウサギの窮状を裁判所に提訴した」のである。英紙ガーディアンによると以降PAZは、アンバリッド広場を管理するフランス陸軍がウサギ駆除の許可と協力をパリ市当局に申請するたび、組織的に法廷闘争に持ち込んできた。
2021年、当局はパリのウサギを「害獣」に指定した。しかし、ウサギとの「平和的共存政策」を求める動物保護団体から猛抗議を受け、指定を撤回せざるを得なかった。